ITリテラシー教育の国内の取り組み

近年、情報技術の進化と社会のデジタル化が進む中、現代人にとっての基本的な能力として位置づけられるようになりました。特に新型コロナウイルスの影響で、テレワークやオンライン教育が一般化する中、このスキルの重要性はさらに高まっています。そのような背景を受けて、政府や民間組織はITリテラシー教育の充実を図るさまざまな取り組みを進めています。

本記事では、そのような取り組みの現状と具体的な内容、そしてこれからの展望について詳しく解説していきます。社会全体がデジタル化を進める中で、自分自身がどのようにスキルを磨いていけばよいのか、また教育機関や企業、親としてどのようなサポートが求められるのか、といった疑問に答える手助けとなることを目指します。

政府の取り組み

内閣府

春のあんしんネット・新学期一斉行動 令和2年

内閣府は、スマートフォンのフィルタリングの利用率引き上げ、保護者によりアクセスできる時間やサイトなどのカスタマイズができるペアレンタルコントロールの普及などを推進しています。低年齢層においても、フィルタリング利用やSNS利用の際に注意すべき事柄などを子ども・保護者に啓発しています。
https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_use/2020/index.html

文部科学省

文部科学省は、クイズ形式でITリテラシーについて考える資料を配布しています。さらに、児童生徒向けの動画教材や、教員向けの指導の手引なども公開しています。

ちょっと待って!スマホ時代のキミたちへ~スマホやネットばかりになっていない?
~2020年版(小学校低学年用)令和2年

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2020/02/05/20200205-mxt_jogai01_001.pdf

国民のデジタルリテラシー向上事業(情報通信技術講習事業費補助金)

国民全員が参加できるデジタル社会を目指し「国民のデジタルリテラシー向上事業」を全国で展開しています。
https://www.mext.go.jp/a_menu/01_d/1294111_00001.htm

内閣サイバーセキュリティセンター

インターネットの安心・安全ハンドブック

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は、サイバー攻撃やセキュリティ、ネット上のトラブル対処法などに関するハンドブックを無料で公開しています。
子ども向けとしては少し難解ですが、教員や保護者などの指導用として有益な書籍なのでピックアップしました。子どもと一緒にITリテラシーを考える際には、一読したい一冊です。
https://security-portal.nisc.go.jp/guidance/handbook.html

民間組織による取り組み

NTT東日本

ネット安全教室

NTT東日本では2006年度下半期から、CSR活動の一部として「ネット安全教室」という出張授業を東日本地域の小中学校で実施しています。

この授業は、社員が講師となり、インターネット上のコミュニケーションやマナーに関するテーマを中心に行われます。具体的には、実際のシチュエーションに基づいて、オフラインとオンラインのコミュニケーションの違いやトラブルを防ぐ方法を教えています。
https://www.ntt-east.co.jp/kids/netanzen.html

ソフトバンク

安全安心への配慮

情報通信の責務を持つ一企業として、全ての人がスマートフォンやインターネットを心配なく利用できる環境を目指し、特に子どもたちの正しい利用の推進や、顧客が犯罪的行為から守られるサービスの展開に注力しています。
https://www.softbank.jp/corp/sustainability/esg/social/safety/

アディッシュ株式会社

スクールガーディアン事業

15年以上もの間、子どもたちのオンライン投稿の監視やICT教育の提供などが行われており、子どもたちがデジタル技術を適切に利用する能力を向上させる環境作りを推進しています。

さらに、スポンサーシップコミュニティと協力し、インターネットやソーシャルメディアの適切な使用を促進する教育も提供。この教育では、「メディアバランス」「プライバシー」「人間関係」「ネットいじめ」「メディアリテラシー」などのテーマを取り上げています。また、スポンサー企業には活動の報告や実際の講演を体感する機会も提供されています。
https://www.ntt-east.co.jp/kids/netanzen.html

インターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI)

「青少年向けネットリテラシー教育用教材」

インターネットコンテンツ審査監視機構は、青少年向けネットリテラシー教育教材を無料で配布しています。高校生・大学生向けの「これで安心!ネットフリマ、ネットオークションとの付き合い方」や、幼稚園〜小学校低学年向けの「どうぶつの町でトラブルがおきた!〜スマホやゲームの使い方、キミならどうする?〜」など、安全にネットを利用する知識を学ぶことができます。
https://i-roi.jp/seisyonen-kyozai

最後に

ITリテラシーは単なる技術やツールの使い方を覚えること以上の意味を持っています。それは、情報を適切に扱い、効果的にコミュニケーションをとるための基盤となるスキルです。この時代に適応し、より豊かな未来を築くために、私たち一人ひとりがITリテラシー教育の重要性を理解し、積極的に学び続ける姿勢が求められています。

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