スマートフォンやタブレットが子どもたちの生活に浸透している今日、アプリを介したゲームでの課金問題は保護者にとって無視できない問題となっています。ゲーム内課金は、保護者が警戒すべき現代の「罠」の１つといっても過言ではないでしょう。本記事では、このような罠にお子さんが陥らないための予防策と対処法の一端を皆様にご提案したく、この記事を執筆した次第です。
知っておくべきゲーム課金の実態
多くのゲームアプリは「フリーミアム」モデルを採用しています。無料でダウンロードできる一方で、ゲーム内通貨や特別なアイテム、機能のアンロックなどの課金要素が含まれています。これらは特に子どもたちにとって魅力的で、知らず知らずのうちに大金を使ってしまうリスクを孕んでいるのです。
近年、国民生活センターへ届けられる様々な被害の件数及びその総額の上昇は、ここで明確な統計を明かさなくとも、皆が一様に何となく察知していることでしょう。
コロナ禍がもたらした消費者行動の変化
コロナ禍は多くの人々の生活様式に大きな変化をもたらしました。外出自粛やリモートワークの推奨などにより、家で過ごす時間が大幅に増加し、その結果、エンターテインメントの消費パターンにも変化が見られます。特にデジタルゲーム市場は、この期間中に利用者数とともにプレイ時間が顕著に底上げされた分野の一つです。
人々が外部でのアクティビティを控え、家庭内で過ごす時間が増えたことで、ゲームをはじめとするデジタルコンテンツへの関心が高まりました。家族とのコミュニケーション手段として、または個人のストレス解消として、ゲームが選ばれることが多くなり、それに伴い課金行動が増加したのです。
さらに、社会的な距離が強いられる中で、消費行動は以前にも増して内向きになりました。以前は外食や旅行など、外部での消費に向けられていた財布の紐が、インドアの娯楽に向けられるように変化しました。大人のユーザー層では、ゲーム内課金に対する心理的な障壁が低下しており、コロナ以前に比べてオンラインでの財布の紐を緩める傾向が見受けられます。
ゲームデザインが作りだす罠
近年、子どもたちがゲームの中で意識せずに課金操作をしてしまうケースが後を絶ちません。これは、ゲームデザインが意図的に「お金がかかる行為」を曖昧にしているため、子どもたちには課金が発生する瞬間が認識しにくいのです。
悪質なケースでは、課金要素がゲームの楽しさを左右し、子どもたちがその誘惑に簡単に負けてしまうよう仕向けられています。例えば、ゲームの進行を早めたり、特定のアイテムが必要になったりするシーンで、すぐに手に入れるための課金を促すポップアップが現れることがあります。子どもたちは、その瞬間の楽しさやゲーム内での成功を求めて、金銭感覚を見失ってしまうのです。
ゲーム課金を通じた金銭感覚の学習
このようなトラブルを未然に防ぐためには、まず保護者がアプリの課金システムを正確に理解し、子どもと共にそのリスクについて話し合うことが必要です。具体的な対策としては、アプリやデバイスの設定で購入に関する承認を必須とする、課金を伴うアプリは保護者が事前にレビューし、子どもが使用する前に設定を調整する、または課金機能そのものをオフにするなどが挙げられます。
さらには、ゲームの課金要求に応じる代わりに、実世界での小遣いの管理を通じてお金の価値について学ぶ機会を提供することも、ネットリテラシー教育の一環として有効です。このプロセスで、子どもたちは責任ある消費者としての判断力を養うことができます。
もしトラブルに遭ってしまったら？
もしトラブルに遭ってしまった場合は、全国どこからでも3桁の電話番号でつながる消費者ホットライン「188（いやや！）」に相談することをお勧めします。最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながり、専門の相談員がトラブル解決を支援してくれます。
最後に
ゲーム内課金が普及する現代において、保護者としては子どもたちが安心してデジタルの恩恵を受けられるよう、指導とサポートを行うことが求められています。そのためにも、私たちは子どもたちと共に学び、適切な対策を講じていく必要があるのだと考えています。